4月9日
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今日は法要の大切さについて、私の持っている書籍を引用して説明します。
子どもの頃、嘘をつくと「閻魔さまに舌を抜かれて地獄に行かされる」と叱られた記憶はないでしょうか? 仏教では、人は亡くなると現世に別れを告げ、〈中陰(ちゅういん)〉と呼ばれる世界を旅するとされています。
中陰とは、来世の行き先を決めるための裁判が行われる世界。49日間続くその旅路を〈冥土(めいど)の旅〉と言い、死者は7日ごとに冥土の王朝の王さまたちから生前に犯した罪を裁かれることになっています。
そして、中陰での裁判の日、現世では故人に近しい人々が集まり法事を行います。亡くなった人が無事に極楽浄土へたどりつき幸せになれるよう仏さまに祈りを捧げ、ご縁を結ぶのです。その最初の日が、「初七日」の法要です。
初七日の法要は、故人が亡くなった日から数えて7日目に行うしきたりです。その後、「四十九日(七七日)」まで7回の法要を行いますが、これを中陰供養、または御逮夜(おたいや・おたんや)と呼んでいます。
ちなみに、故人が閻魔(えんま)さまの裁きを受けるのは、五七日のとき。このように、冥土の故人は毎回別の王さまに会い、そして現世では、王さまの化身とされている仏さまに祈りを捧げるのです。
初七日
最初の7日間、故人はとても険しい山を歩きます。その間、香を食べて進むとされるので、そのために現世ではお線香を焚きます。行き着く先にいるのが、最初の裁判官〈秦広王〉。
現世の私たちは、恐ろしい顔つきで人間の煩悩などを戒めてくれる〈不動明王〉に良い裁きがくだるようお祈りします。
二七日(ふたなのか)
山を越えるとすぐに、三途の川があり、罪の軽い人は橋の上を、それ以外の人は罪の重さに従って浅瀬か濁流かを渡ることになります。その渡し賃が六文かかるので、棺の中に六文銭を入れます。
川を渡りきると〈初江王〉に殺生行為の有無を裁かれるのですが、現世では、どんな人の願いも聞き入れてくれる〈釈迦如来〉に救いを求めます。
三七日(みなのか)
3度目の裁きは、〈宋帝王〉が猫とヘビを使って不貞行為の罪を問うもの。現世の人が祈りを捧げる仏さまは〈文殊菩薩〉です。
「三人寄れば文殊の知恵」で知られる文殊菩薩は、極楽浄土へ行ける知恵を授けてくださいます。
四七日(よなのか)
続いて会うのは〈伍官王〉。ここでは、生前どれだけ悪い言動をしたか、その重さをはかる秤(はかり)があり、故人はそこに乗せられます。
白い象に乗った〈普賢菩薩〉は慈悲に満ちており、多くの功徳で悟りの世界へ導いてくださいます。
五七日(いつなのか)
この日に待っているのが、有名な〈閻魔王〉。彼は水晶からできた鏡を使って故人の生前の悪行を映し出し、嘘をつく人の舌を鬼に抜かせてしまいます。
そして閻魔王は、故人が生まれ変わる先を決定します。現世の私たちは〈地蔵菩薩〉に祈りを捧げるのですが、私たちに最も身近なお地蔵さまは、地獄の苦しみを救ってくれる仏さまです。
六七日(むなのか)
6回目の裁判では、秤を使った伍官王と、鏡を使った閻魔王(えんま)の報告に基づき、〈変成王〉によって審判がくだされます。生まれ変わるための条件、場所も詳しく決められていきます。
〈弥勒菩薩〉はお釈迦さまの後継者とされ、遠い未来に私たちを救済してくれる仏さま。自分自身だけではなく、他人の悟りを手助けする術も教えてくれます。
七七日(四十九日)
亡くなってから四十九日目にあたるこの日は、とても大切な法要の日。
これまでの裁判の結果をもとに、〈泰山王〉が最終決定を言い渡す日で、その決定によって故人は中陰の世界を去り、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道のいずれかに生まれ変わるため旅立ちます。現世では最良の決定がなされるよう〈薬師如来〉へ祈りを捧げます。
このように、法事の意味を深く知ると、毎回の法要が同じくらい大切なものであることが分かります。法事は、故人を偲びその幸せを願うだけではなく、現世の人々にも学びを与えてくれます。